ポリスチレン(PS)とは

ポリスチレン(PS)の歴史について

ポリスチレンは1830年代にはシモン(独)によって天然の樹脂から抽出された固形物として発見されていますが、その後かなり経過した1920年代にシュタウディンガー(独)らによって、スチレンモノマーが鎖状に結合した高分子物質として認識されることになります。

実用的には、1930年代には既にドイツおよびアメリカで工業化されており、80年以上の 歴史と実績のある樹脂です。

わが国においては、第二次世界大戦中、その製造や加工について研究されたものの実用には至りませんでしたが、1940年代後半に輸入が開始され、1950年代後半になると、海外からの技術導入により工業化に成功しています。

その後、海外からの技術導入や自社技術の開発により製造するメーカーが多くなって、汎用樹脂としての市場が確立されましたが、1990年代の後半から2000年代には業界の再編成が進み、一時は10社を 超えた製造メーカーも、現在では3社となっています。  

また、1990年代後半には、メタロセン触媒による重合でシンジオタクチック構造を持つポリスチレンが合成され、工業化されました。
これによって生成するポリスチレンは結晶性の高分子であり、不透明であるが、アタクチックポリスチレンよりも耐熱性に優れています。

参考文献

1)
須本一郎:プラスチック材料講座 第11巻 スチロール系樹脂,p.1-4 (1970)