スチレン・ポリスチレンの安全性

行政機関等の室内濃度測定結果

(1)厚生労働省の測定結果

厚生労働省ウェブサイトに結果が記されています。

スチレン濃度の中央値は、1.1や0.85µg/m3で、濃度指針値220µg/m3に対して充分に低い値となっています。(調査世帯数93戸)

結果まとめ(当工業会が出典を基に作成 )

平成25(2013)年度 2013年夏 居間 2013年10-11月 無作為調査 夏調査 屋外
中央値 1.1µg/m3 0.85µg/m3 定量下限未満
95パーセンタイル値 7.7µg/m3 3.5µg/m3 -
最大値 66µg/m3 20µg/m3 0.85µg/m3
調査家屋数 93戸 100戸 -
指針値超過 0% 0% 0%
出典:厚生労働省ウェブサイト「平成25年度 夏期室内空気全国実態調査および無作為抽出による首都圏実態調査 結果の概要」(2021年3月10日に利用)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000040622.pdf

(2) 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの測定結果

法人ウェブサイトに、2001から2005年度の新築住宅調査結果が記載されています。

スチレン濃度は、0.0002~0.001ppm で推移し、濃度指針値0.05ppm(220µg/m3)より充分に低い値となっています。

"Ⅱ-3 キシレン、エチルベンゼン、スチレンについて

(1)新築住宅調査

① 濃度の推移について

スチレンについては、濃度別の構成比では2001 年度から<0.01ppm(検知限界以下)の割合が高く98.%であり、これは各年度を通してあまり変化がない。2005 年では98.6%が<0.01ppm(検知限界以下)であった。平均濃度については明確な減少傾向は見られないものの、各年度0.0002~0.001ppm の水準で推移している。

②指針値を超えた住宅について

スチレンについては、2001 年度(2000 年は測定せず)の1.1%を除き、2002 年度から2004年度まで0%~0.1%(実数で0~1 件)とほぼ0%に近い水準であったが、2005 年度は0.6%(同7件)となった。このため、スチレン濃度が指針値を超えた7 件については再測定を実施した。この結果、3 件で再測定の協力が得られ、うち2 件は濃度が0.01ppm(検知限界以下)となった。

再測定で指針値を超過した1 件について、現地調査を実施した。測定室は2 階寝室で、室内にはスチレンの発生源となる材料は使用されておらず、当該寝室に面したベランダのFRP防水が原因と見られたので、実際居住者が最も臭気を感じるベランダ側巾木と床の隙間部分を中心に放散量を測定した。その結果、当該部分からスチレンの強い放散があることが分かり、FRPの樹脂原材料であるスチレンモノマーが残留し、室内に侵入している状況が確認できた。"

出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター 平成17年度 室内空気に関する実態調査報告書 概要版 7ページ(2021年3月10日に利用)
http://www.chord.or.jp/tokei/pdf/h17_juutaku.pdf